「立嶋篤史」という名前をご存知でしょうか。
彼は東京都豊島区出身で、キックボクシングジム『ASSHI-PROJECT』の経営をしています。
そして実際キックボクシングの現役選手。
1990年代前半に活躍し、全日本フェザー級王者の座に輝いたこともあります。
今回はそんなカリスマキックボクサー立嶋篤史さんへスポットを当ててみました。
51歳でもなお現役
そんな立嶋篤史さん、2023年現在なんと51歳!
格闘技選手で51歳ですよ!信じられますか?
そんな彼も先日4月の格闘技イベント『KROSS×OVER.21』のメインイベンターとしてプロ100戦目の勝負に挑み激闘の末にTKO負けを喫しました。
相手は松元仁志さん、1988年生まれの35歳(2023年現在)とひと回り以上年下の相手。
しかも35歳といえば一番カラダも動く時期であり51歳の立嶋篤史さんにとっては、少し無謀とも言える挑戦。
You Tubeではそんな松元仁志さんの試合前の意気込みというか立島篤史さんへのリスペクトを感じる素晴らしいインタビューが見られました。
リスペクトはしていても対する立嶋さんへのカラダの心配をされているのが妙に現実的で、試合前のインタビューだというのにジーンとしました。
しかも驚いたことにこの試合で松元さんはキックボクシング引退することを表明。
自分がぶっ飛ばして立嶋さんとともに引退したいとも。
35歳と51歳、かたや引退を決意、かたや現役で有り続けたいという点から見ても注目される試合でした。
立嶋さんはいくら1990年代に大活躍したカリスマ選手といえど、年齢的にカラダは衰えスピードも落ちているのも事実。
いや人間ですから当然ですよね。
アニメじゃあるまいし。
しかし諦めない心というかめちゃくちゃストイックにトレーニングするところとかはそこいらのポッと出の若手新人さんじゃ決して勝てないでしょうね。
なぜ挑戦し続けるのか!
立嶋選手はなぜこうも挑戦し続けるのか、わたしなりに考察してみました。
彼は非常に内向的な性格のようです。
それは彼が小さい頃に壮絶ないじめを受けたことに関連しているかもしれません。
いじめられても明るい人なんていませんからね。
自分も転校生でいじめを受けたのでよーくわかります。
しかしそんなときに彼はキックボクシングに出会ったんですね。
そしてがむしゃらに修行に明け暮れた。
それは中学卒業後、単身ムエタイを学ぶためにタイに渡ったことからもわかります。
本気なんですよね。
17歳の頃には全日本キックボクシング連盟フェザー級のタイトルを獲得!
当時は「地上最強の高校生」として、マスコミから注目が集まりました。
これは想像ですが、この頃の記憶というか経験というのが立嶋選手がいまだ現役であり続ける理由なんじゃなかって思うんです。
壮絶ないじめからキックボクシングに目覚めました。
その後、とことん自分を追い詰めた修行や練習の先に見事成功した。
彼は恐ろしいまでにストイックなんだと思います。
今まで戦ってきた100戦は、戦績が歴史に残るようなずーっと勝ち続けてきたとかではありません。
どちらかといえば負けを喫することも多い選手です。
しかし100戦戦ってきたという事実は歴史に残るでしょうね。
ではなぜ続けられるのか。
それはこの100戦の中での負けた試合にあるんじゃないかと。
負けるたびに「ちくしょう」という気持ちが芽生え、辞めようにも辞められないんじゃないか。
そう考えてしまうんです。
じゃなきゃ続けられますかね、100戦も。
苦しさからくる悔しさ
立嶋選手と松元選手の試合は終了まで残り1秒でレフェリーストップのTKO負けでした。
激闘後の選手控室で彼は、(負けて)悔しくない日はなかったので、これまでと同じと僕は考えています。
悔しかったら「頑張れよ」って自分に思うし、それもこれまでと変わらず。
この表現方法であとちょっとだけ、できたらいいなと思います」と話したそうです。
この表現にわたしはすべて詰まっているなと感じました。
くやしいという気持ちがあるのはとっても苦しいトレーニングを自分に課しているからというのもあるでしょう。
あんなにトレーニングしてるのに!と。
彼はいまだに毎日30kmのロードワークは欠かしていないそうです。
この100戦目のあとに彼はこうも話しました。
フェザーで100回、減量して減量して、同じ階級で100回やった人を僕は知らないので、それができたら僕は自分に胸が張れるなと思って。
ズルズルやるつもりはないので、もう1回だけはどうしても辞める前にやりたいですね、と次はフェザー級での100戦目に挑戦したい意欲を話しました。
やはり恐ろしいまでにストイック。
他の人がなし得ていないことを達成してけじめをつけたいんでしょうね。
こういう選手はもう二度と出てこないんじゃないかとふと考えてしまいました。
もうそこまでしなくても十分伝説の人なんですが、いやー頭が下がります。
自分が納得するまで続けていければそれほど幸せなことはないでしょう。