静岡県は駿河湾に面した県。
その駿河湾は日本で最も深い湾として知られます。
(最深部は2500m!)
日本有数の漁場としても知られ、採れた魚は日本全国へと運ばれて行きます。
そんな静岡県焼津市にある町のとある魚店
しかも過去メディアにも出て魚店として超有名!
サスエ前田魚店(さすえまえだうおてん)と5代目店主、前田尚毅(まえだなおき)さんについて気になったので調べました。
魚職人・前田尚毅が語る、魚の美味しさを引き出す秘訣とは?
サスエ前田魚店 | 静岡県焼津市西小川4-15-7 |
TEL | 054-626-0003 |
営業時間 | 営業時間10:00~18:00 (丼は12:00からの販売です。) 定休日水曜日・日曜日営業時間・定休日は変更となる場合があります。 |
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「サスエ前田魚店」は、静岡県焼津市に位置する魚店です。
日本国内に限らず海外からも注目を浴びている魚職人・前田尚毅さんが5代目店主を務めています。
前田さんは、静岡の駿河湾の恵みを最大限に引き出すため、24時間365日を仕事に捧げている情熱的な人物。
彼の手にかかると魚が劇的に美味しくなると評判であり、地元の料理人たちも彼の魚を仕入れて自身の店で提供しているほど。
通常料理人は自ら仕入れに行くものですがそれほど前田さんを信頼しているということでしょう。
前田尚毅の魚の目利きと独自の鮮度コントロール方法とは?
前田さんは魚の目利きも超一流、さらに運搬方法や運搬時間、処理の方法なども徹底的にこだわるそうです。
仕入れの際は港でセリ落としますが、目利きの段階から他の仲買人とは一味違う動き。
普通は魚の見た目(目の色やヒレの色やハリ具合など)で判断します。
しかし前田さんは魚の肛門のニオイを嗅ぎ、食べていたものや鮮度を判断することもあるらしい。
確かに生物は食べたもので健康にも不健康にもなりますが嗅ぎ分ける能力がすごいですね。
仕入れた魚は乗っている脂の量や大きさによって締め方も変えているそうです。
切り身にされた魚は、前田さんの技「脱水締め」という処理によって極限に旨みを引き出される技法。
「脱水締め」それは特別な粒子に仕上げてもらった岩塩を使います。
魚種や部位によって塩の打ち方を変えながらまな板と魚にふりかけ魚の臭みのもととなる水分をまな板を傾けながら脱水する方法。
驚きなのが3枚におろした切り身が斜めにしたまな板の上でピクピク動き出す。
そして余分な水分が抜けて旨みを閉じ込める、もちろん水分の抜き過ぎはご法度。
そこは魚を知り尽くした前田さん、魚種や切り身の大きさ脂乗りによって時間は変えているそうです。
魚は冷やさないと鮮度がどんどん落ちますが、冷やす温度も魚種によって変えるこだわりよう。
送り先の料理人目線の仕立て
送り先の店によって、さらに料理人によって、最適な魚は違います。
一軒一軒、厨房の中で行われる作業を思い描きながら、魚を選び、必要な処置をして送るのが前田さんのやり方。
わたしは、魚屋さんはただ魚をさばくだけなのかと正直思ってました。
魚を極めるとはこういうことですね。
より的確に仕立てるため、前田さんは、料理人がいつ、どんな調理を施すのかを一人ひとり把握に努めるそうです。
すし職人だったら、どんなタイプの米を何で炊くのか。酢は赤酢か白酢か。
シャリ玉のサイズまでも頭に入れておくようです。
天候が荒れそうになれば、魚が入荷しなくなる可能性に備えて、食べ頃が長めに取れる魚を選び、数日先がピークになる仕立てをして送るなど、料理人が困らぬよう先回りして手を打つそうです。
天ぷら成生と銀座鮨よしたけ
静岡の天ぷら成生という名店があります。
今では予約が半年先まで埋まるほどの人気店ですが、その名店の味は前田さんと作り上げたと言っても過言ではないでしょう。
天ぷら成生オープン以来、前田さんが仕入れた魚を、天ぷら成生店主の志村剛生(たけお)さんが揚げていく。
前田さんは自分が仕立てた魚がどう調理されるのか、自ら食して魚の水分の残し方などを追求。
志村さんは前田さんが仕立てた魚をどういう熱の加え方をすれば、もっと味が引き出されるのかと来る日も来る日も2人で探し抜いたそうです。
お互いに追求しあい今では半年先まで予約が埋まるほどの名店にしていったそうです。
場所は変わって東京銀座の名店「鮨よしたけ」、こちらはミシュラン三つ星の名店ですが、ここの親方とは鮨よしたけがまだ三つ星を取る前に前田さんが築地に来たときに知り合ったそうです。
知り合ったのち、前田さんが鮨よしたけに赴き親方の握る鮨を食べ、それからその鮨に合わせた冷しと脱水締めをした魚を提供していったそうです。
その一年後、「鮨よしたけ」はミシュラン初登場でいきなり三つ星を取得するという快挙。
恐るべし前田さん、、、。
まとめ
魚を知り尽くす男、というか魚を愛する人、「サスエ前田魚店」店主、前田尚毅さん
今では海外からの注文も絶えないぐらい有名ですが、町の魚店で有り続けるのがモットーなんだそう。
そんな前田さんのところには静岡の料理人が働きに来て、彼の魚の見方、さばき方を勉強して行ったりするそうです。
魚の量も種類も料理店で働くだけでは出来ない経験ができるからという理由らしい。
そんな前田さんの憧れとは、静岡でいつミシュランがきてもいいように乾杯する準備ができていること、そして静岡をもっともっと盛り上げていきたいという思いがあるそうです。
最後までありがとうございました。